自動車保険で事故を起こすと等級はどうなる?保険料への影響と判断手順

事故後の自動車保険の等級と保険料への影響を確認する家族 自動車保険を知る

自動車保険の等級は、事故で翌年どう変わる?

事故の直後は、相手への対応や修理の手配で頭がいっぱいになりがちです。それでも「保険を使ったら、来年の保険料はいくら上がるのか」は早めに知りたくなります。

自動車保険の等級は、事故の有無と保険金の支払い内容により翌年の契約へ反映されます。まず事故の種類を確認し、保険を使う場合と使わない場合の見積りを比べてから判断しましょう。

事故後の自動車保険の等級変動を確認する運転者

等級制度は、無事故の年数と事故内容を保険料へ反映する仕組み

自動車保険の等級制度は、正式にはノンフリート等級別料率制度と呼ばれます。一般に、1年間無事故で保険を使わなければ翌年は1等級上がり、割引率も大きくなります。保険金の支払いを受けた事故があれば、内容に応じて翌年の等級が下がります。

新たに自動車保険を契約する場合は通常6等級から始まります。ただし、一定の条件を満たす2台目以降の車では、複数所有新規特則により7等級から始まる場合があります。

契約中の状況翌年の等級の基本的な動き
1年間、保険を使わない1等級アップ
3等級ダウン事故3等級ダウン
1等級ダウン事故1等級ダウン
ノーカウント事故原則1等級アップ

等級は保険料を決める要素のひとつです。年齢条件、車種、運転者の範囲、補償内容でも保険料は変わります。「等級が下がった分だけ上がる」と考えず、更新時の見積りで確認してください。日本損害保険協会:自動車保険の等級

保険金を受け取っても、すべてが同じ等級ダウンではない

保険金を受け取る場合でも、翌年の扱いは一律ではありません。事故は大きく、3等級ダウン事故、1等級ダウン事故、ノーカウント事故に分かれます。相手への賠償で対人・対物賠償保険を使った場合や、自分の車を電柱などへぶつけて車両保険を使った場合は、3等級ダウンとなるケースが基本です。

  • 対人・対物賠償の利用
  • 自損事故での車両保険利用
  • 盗難・飛来物による損害
  • 特約のみの利用
  • レッカーなどの付帯サービス利用

同じ車両保険でも、損害の原因で事故区分は変わります。小さな事故だから影響はないと決めつけず、保険会社または代理店に、保険を使った場合の等級と保険料見込みを確認しましょう。

3等級ダウン事故・1等級ダウン事故・ノーカウント事故の違い

等級への影響を見るときは、修理費の大きさよりも、どの補償から保険金が支払われるかを確認する必要があります。小さな擦り傷でも、自損事故で車両保険を使えば3等級ダウンとなる場合があります。反対に、保険金を受け取っても等級が下がらない扱いもあります。

自動車保険の事故区分を比較するイメージ

相手への賠償や自損事故などは、原則として3等級ダウン事故

3等級ダウン事故は、翌年の等級が3つ下がる事故です。相手をけがさせた場合の対人賠償、相手の車や建物を壊した場合の対物賠償、自分の車を電柱やガードレールへぶつけて車両保険を使う場合が代表例です。

事故例利用する主な補償基本的な扱い
相手の車に衝突対物賠償保険3等級ダウン
相手をけがさせた対人賠償保険3等級ダウン
電柱へ衝突車両保険3等級ダウン
当て逃げの車両修理車両保険契約内容を確認

過失がない事故や相手不明の当て逃げでも、扱いは契約内容と事故状況で変わります。自分に責任がないから等級へ影響しないと自己判断せず、保険会社へ事故状況を伝えて確認してください。

盗難・飛来物などは、1等級ダウン事故になる場合がある

盗難、台風・洪水などの自然災害、飛来中・落下中の他物との衝突、いたずらによる損害で車両保険を使った場合は、1等級ダウン事故となる場合があります。

ただし、事故の原因だけで補償対象とは決まりません。加入している車両保険のタイプ、特約、免責事項によっては、保険金が支払われない場合があります。飛び石は多くの車両保険で補償対象ですが、個別の事故状況や契約内容の確認が必要です。

  • 車両盗難による損害
  • 台風・洪水などの自然災害
  • 飛び石など飛来物との衝突
  • 落下物による車両損害
  • いたずらによる損害

飛び石なら必ず保険金が出る、盗難なら必ず1等級ダウンとは言い切れません。保険金の支払い対象か、保険を使った場合に何等級下がるかを、保険会社へ分けて確認しましょう。損保ジャパン:車両保険の補償範囲

特約のみの利用など、等級に影響しない事故も契約内容を確認する

保険金を使っても等級が下がらない扱いを、ノーカウント事故と呼びます。多くの保険会社では、弁護士費用特約やロードサービスなどを単独で利用した場合、等級に影響しない設計があります。

ただし、ノーカウントとなる補償の範囲は全社共通ではありません。同じ名称の特約でも、契約内容や他の保険金請求との組み合わせで扱いが変わる場合があります。事故受付の際に確認し、保険を使うかどうかは説明を聞いたうえで決めてください。

事故後の保険料はいつまで高くなる?事故有係数適用期間を確認

事故後の保険料を考える際は、等級だけでは足りません。7等級から20等級には、無事故契約者向けと事故有契約者向けの割増引率があります。同じ等級でも、事故有のほうが割引率は小さくなります。この差が適用される期間が、事故有係数適用期間です。

等級と事故有係数適用期間を確認するイメージ

等級が下がる影響と、事故有の割引率が適用される影響

3等級ダウン事故では、翌年は原則3等級下がり、事故有係数適用期間は3年です。1等級ダウン事故では、原則1等級下がり、事故有係数適用期間は1年です。複数の事故が重なると期間が加算され、上限は6年とされています。

事故区分翌年の等級事故有係数適用期間の基本
3等級ダウン事故3等級ダウン3年
1等級ダウン事故1等級ダウン1年
ノーカウント事故原則1等級アップ0年

事故後の負担は、下がった等級と事故有の割引率が続く年数を合わせて考えます。毎年の保険料は車種や年齢、地域、補償内容でも動くため、保険会社に複数年分の見込みを聞く方法が確実です。あいおいニッセイ同和損保:事故有係数適用期間

20等級で3等級ダウン事故を1件起こした場合のイメージ

次の例は、保険期間が1年の一般的な契約を前提にしています。20等級の人が3等級ダウン事故を1件起こした場合、翌年は17等級となり、事故有係数適用期間は3年となるのが一般的です。

更新時期等級のイメージ事故有係数適用期間
事故前20等級0年
1年後17等級3年
2年後18等級2年
3年後19等級1年
4年後20等級0年

長期契約や契約変更がある場合は、反映の時期や扱いが異なる可能性があります。等級が同じ20等級になっても、契約条件や保険料率が変われば保険料は同額になりません。ご自身の契約へ当てはめる際は、保険証券と保険会社の説明で確認してください。

保険料は等級だけで決まらないため、金額は見積りで確認する

事故後の保険料をネット上の事例だけで決めるのは危うい方法です。車種ごとの型式別料率クラス、年齢条件、運転者限定、年間走行距離、補償内容の変更でも保険料は動きます。

  • 保険を使う場合の更新保険料
  • 保険を使わない場合の更新保険料
  • 各年の等級と事故有期間
  • 車両保険の免責金額
  • 修理費の見込み額

この比較があれば、修理費を自己負担したほうがよいか、保険を使うべきかを数字で考えられます。対人・対物の賠償が絡む事故や高額修理では、等級への影響だけを理由に保険利用を避ける判断は向きません。

保険を使うか迷ったときの判断手順

事故後に避けたいのは、等級ダウンだけを恐れて保険会社への連絡を遅らせることです。けが人がいる、相手方がいる、過失割合が定まっていない場合は、まず事故受付を行いましょう。そのうえで、保険金請求の前に費用と更新後の負担を確認すれば、落ち着いて判断できます。

修理費と保険料を比較して保険利用を判断する家族

修理費・自己負担額・今後の保険料を並べて比較する

車両保険を使うか迷う場面では、修理費と受け取れる保険金だけを比べると判断を誤りやすくなります。保険を使う場合は、受け取れる保険金から免責金額を差し引き、さらに事故後の保険料増額見込みも加えて比べます。

たとえば修理費が15万円で免責金額が5万円なら、受け取れる保険金の目安は10万円です。事故後3年間の保険料差額が10万円を上回るなら、自己負担も選択肢になります。相手のいる事故、けがを伴う事故、高額修理では、自己負担で済ませる前提を急がないでください。

保険会社へ確認したい5項目

  • 今回の事故区分
  • 次回更新時の等級
  • 事故有係数の適用年数
  • 保険利用時の保険料見込み
  • 保険未利用時の保険料見込み

加えて、車両保険の免責金額、修理工場との協定状況、代車費用の補償も確認すると安心です。保険会社は、保険金を請求しないほうが契約者の負担が少ない場合、請求を勧めないケースがあると案内しています。日本損害保険協会:保険利用の判断

事故連絡は先延ばしにせず、保険金請求の判断は説明を聞いて決める

  • けが人の救護と警察への届出
  • 事故状況と相手方情報の記録
  • 保険会社または代理店への連絡
  • 修理費・賠償額の確認
  • 保険利用の最終判断

保険会社への連絡は、責任を認める行為ではありません。補償の対象や事故対応の選択肢を把握するための手続きです。事故後の不安を減らすためにも、まず連絡し、説明を聞いたうえで対応を決めましょう。日本損害保険協会:事故時の対応

事故後に等級で損をしないために、更新前までに確認したいこと

事故後の保険は、更新案内が届いてから慌てて見直すより、事故受付の段階から数字を確認しておくほうが判断しやすくなります。等級ダウンを避けるためだけに補償を削るのではなく、家族の車の使い方や貯蓄とのバランスで内容を整える姿勢が必要です。

自動車保険の更新内容を家族で確認する様子

更新案内で等級と事故有係数適用期間を確認する

更新案内が届いたら、保険料の総額だけで判断せず、等級と事故有係数適用期間を確認します。事故を使った認識があるのに、想定と違う等級や期間が記載されていたら、早めに保険会社へ確認しましょう。

保険会社を変えても事故歴を隠して等級は引き継げない

保険会社等の間では、適切な等級継承のために前年契約の事故情報を確認する制度があります。事故歴を申告せずに乗り換える方法は取れません。乗り換える場合も、等級、事故有係数適用期間、補償内容を同じ条件へそろえて比較してください。日本損害保険協会:無事故・事故確認制度

補償を急いで削らず、家計と車の使い方に合う内容へ整える

事故後に保険料が上がると、車両保険や特約をすぐ外したくなるものです。ただ、通勤、子どもの送迎、長距離移動など、車の利用頻度が高い家庭では、必要な補償まで削ると次の事故で負担が重くなります。

事故後の等級ダウンは避けにくい場合があります。それでも、事故区分、数年分の保険料差額、必要な補償を順番に確認すれば、慌てて不利な選択をするリスクは下げられます。保険会社や代理店へ具体的な数字を聞き、家計に合う形へ整えていきましょう。

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