自動車保険の事故有等級とは

自動車保険には無事故期間に応じて割引率が上がる、ノンフリート等級制度が設定されています。

 

ノンフリートとは10台未満までの契約のことを指し、個人向け自動車保険はノンフリート等級での契約が中心となっています。

 

等級は1等級から20等級までがあり、割引率が最も高いのが20等級です。

 

反対に1等級は割増率が最も高くなり、保険料も高額になります。

 

新規での契約の場合は6等級からのスタートになります。

 

これまでの等級制度では交通事故を起こした場合、3等級ダウンすることになっていました。

 

例えば12等級だった人が保険請求事故を起こした場合には、翌年度は9等級になり割引率が低くなりました。

 

しかしながら少子高齢化が進み、若者の自動車離れが顕著になったため自動車を運転する人が減少し、自動車保険の保険料収入がかつてない位に減少しました。

 

打開策として、交通事故により自動車保険を使用した人にはこれまでの3等級ダウンに加えて、新たに設けられた事故有等級制度が適用されることになりました。

 

事故有等級制度とは、通常の等級制度よりも割引率が少なくなっている制度のことです。

 

1度事故有等級が適用になると、3年間は事故有等級が適用されることになり、割引率が減少します。

 

もし1等級ダウンの事故を起こした際には、1年間のみ事故あり等級が適用になります。

 

この制度の導入により、事故を起こさない人とそうでない人との差別化を図り、より公平な保険料徴収が可能になりました。

 

ただし消費者にとっては頭の痛い話となっています。

自動車保険の等級がダウンする事故の詳細

自動車保険で保険料の割引率に関係してくるノンフリート等級は、事故を起こして保険を使うと、その事故の内容によってどれくらい等級が下がるのか、ということが決まっています。

 

場合によっては、保険を利用しても等級に影響しないノーカウント事故もあります。

 

具体的に、どういった事故であればどれくらいの等級が下がるのかということを知っておいた方が、万一事故を起こした時に慌てて調べる必要がないので、ある程度は覚えておくようにしましょう。

 

まず、保険を利用しても等級が下がらないノーカウント事故に該当するのは、原付バイクで事故を起こしファミリーバイク特約などを利用した、自動車事故弁護士費用特約のみが支払われた、搭乗者傷害保険金や人身傷害補償保険金のみが支払われた、というようなケースです。

 

起こしてしまった事故がノーカウント事故だけであれば、翌年度に1等級上がることになります。

 

次に、保険を利用することで1等級下がってしまう1等級ダウン事故に該当するのは、いたずら・窓ガラス破損・落書きによって車両保険が支払われた、洪水・台風によって車両保険金が支払われた、契約車両が盗難にあって車両保険金が支払われた、というようなケースです。

 

最後に、保険を利用すると3等級下がってしまう3等級ダウン事故に該当するのは、建物や電柱に契約車両をぶつけてしまい車両保険金が支払われた、他人のモノ・車を壊してしまい対物賠償保険金が支払われた、他人に怪我をさせてしまい対人賠償保険金が支払われた、というようなケースです。

 

なお、ノーカウント事故や1等級ダウン事故にあたらない事故は、全て3等級ダウン事故となります。

 

ちなみに、1等級から5等級、1年から6年の事故あり係数適用期間は自動車保険を新規で契約した場合でも、リセットされることはありません。

 

等級制度は、無事故の人と事故によって保険を利用した人の保険料に差を作ることで保険料負担の公平性を保つ、という目的があります。

 

ですから、前に契約していた保険の解約日や満期日から13か月の間は前の契約の等級や事故あり係数適用期間が引き継がれることになっています。